サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂
建設当時、ヨーロッパ最大だった大聖堂。ブルネッレスキが設計したドームは二重構造になっている。今もフィレンツェでは 最高の高さを誇り、この大聖堂より高い建物を建てないことが不文律となって街並を守っている。

受胎告知(レオナルド・ダ・ヴィンチ)
レオナルド・ダ・ヴィンチの単独デビュー作。聖母マリアの表情の硬さなどに稚拙さはあるが、空気遠近法による青みがかった風景の描写や鳥の羽をモデルにした天使の翼など、天才の片鱗が随所に伺える。

ダヴィデ像(ミケランジェロ・ブオナローティ)
敵の巨人ゴリアテを石で倒した若き英雄ダヴィデの像。ダヴィデは、女性でありながら知恵を使って敵を倒したユディトと並び、周囲の大国に脅かされながらも独立を守るフィレンツェのシンボルとされた。

ブランカッチ礼拝堂
礼拝堂の壁画のマザッチョ「楽園追放」はリアルな感情表現、人体の正確な表現、さらに地面に落ちる影を描いて奥行きを現した。それまでにはなかった、絵画表現におけるルネサンス美術の革命を先取りしている。

東方三博士の礼拝(レオナルド・ダ・ヴィンチ)
生まれたばかりのイエスをアジア人の老人、ヨーロッパ人の青年、アフリカ人の少年の三博士が礼拝するという画題。三大陸・三世代、すべての人間がイエスにひれ伏すという意味だ。未完だが、伝統的な構図を打ち破った意欲作。

メデューサ(ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジョ)
凸面鏡に映した自画像をメデューサに見立てたもの。首を切られ、血を噴き出す姿で自らを描くところに歪んだ自意識が伺える。明暗の強いコントラストにドラマを浮き上がらせる彼の手法は多くの追随者を生んだ。

東方三博士の行列(ベノッツォ・ゴッツォリ)
メディチ家私邸の礼拝堂に描かれた壁画。ロレンツォ・デ・メディチや父ピエロ、祖父のコジモ、孫のジュリアーノらメディチ家の人々が東方三博士などとして美化して描かれる。パトロンとしてのメディチ家の権勢が伺える。

春(サンドロ・ボッティチェリ)
ヴィーナスを中心にゼフュロスやフローラなどギリシャ・ローマ神話の神々が描かれる。ヴィーナスは聖母マリアとも解釈できるなど、古代ギリシャの思想とキリスト教とを融合する新プラトン主義の表現とも読める。

ホロフェルネスの首を斬るユディト(アルテミジア・ジェンティレスキ)
当時珍しかった女流画家の作品。ユディトは敵の大将、ホロフェルネスにとりいって泥酔させ、寝入ったところを首を斬ってユダヤ民族を救うヒロイン。強姦被害に遭うなどの経験から男嫌いだった画家は、嬉々として大男の首を斬る女性を描いた。

アンギアーリの戦い(レオナルド・ダ・ヴィンチ)
フィレンツェ政庁の命でヴェッキオ宮殿「五百人広間」に描かれるはずだった壁画。が油彩の顔料に混ぜたロウが溶け、失敗に終わる。壁画の上にはヴァザーリが別の絵を描いたため、今は見ることができず、他の画家の模写だけが残る。

ヴィーナスの誕生(サンドロ・ボッティチェリ)
貝殻の上のヴィーナスは古代ローマ彫刻を引用した「はじらいのヴィーナス」と呼ばれるポーズをとる。西風の神ゼフュロスなど寓意に満ちた古代の神々が描かれ、古代ギリシャの哲学など、ボッティチェリの知識の深さが伺える。